5/24(土)地域伝統芸能公演 松江市 くにびきメッセ 大ホール
●琉球舞踊(沖縄) ●佐陀神能(島根) ●大杉ざんざこ踊(兵庫)
●赤崎神社楽踊(山田)●白間津おどり(千葉)●伊那谷の屋台獅子(長野)
15:00〜18:00
●琉球舞踊
沖縄県那覇市 出演/琉球民族舞踊団
その昔、中国、東南アジア、日本などとの中継貿易を通して富と繁栄を築いた琉球王国は、他国の異文化を吸収しながら独自の美学と感性で世界に誇りうる王朝文化を育みました。こうして発展したのが宮廷舞踊ともいわれる古典舞踊です。琉球舞踊にはこのほか庶民の生活や心情を描いた雑踊り、新しい趣向を凝らした創作舞踊、島々村々で土地の芸能として継承されている民族舞踊などがあります。その多彩で多様な世界はまさに芸能の宝庫沖縄。大交易時代に中国から楽器を、東南アジアから旋律を、そして日本本土の芸能の型と技を取り入れながら独自の芸能として開花した琉球舞踊の舞台をこころゆくまでお楽しみください。
●佐陀神能
島根県八束郡鹿島町 出演/佐陀神能保存会
国指定重要無形民俗文化財
毎年佐太神社の御座替えの時に舞われる神楽で、採物舞七座、能様式の式三番、そのあと法楽としての面神能、神能十二番(大社・厳島・日本武尊・岩戸・八重垣などの神話劇)が氏子により奉納されます。八重垣は、八岐大蛇を退治するという神話に取材した劇的勇壮な仮面劇として知られます。猿楽能の様式を初めて取り込んだ佐陀の神楽は、出雲一帯の神楽にその後大きな影響を与えることになりました。太鼓・大鼓・小鼓・笛に手拍子という囃子にも能風な趣きが見られます。
●白間津おどり
千葉県安房郡千倉町 白間津オオマチ(大祭)保存会
国指定重要無形民俗受化財
近世初頭に出雲の阿国によって踊られた踊りは、もともとは念仏踊りでしたが、都での流行り歌にのった斬新な動きと衣装により、またたく間に全国各地に広まって行きました。白間津おどりは、この阿国踊りの流れを実感させる小唄踊りで、千葉県安房郡千倉町白間津の日枝神社で五年ごとに行われる夏祭りに、古式豊かに奉納される貴重な伝統芸能です。まず太陽と月を象徴する金銀の円板を背負った少年二人が胸の小太鼓を打ちながら先導すると、美しい花笠をかぶった少女たちが輪を作りササラをすりながら踊ります。御寺踊り・扇踊り・牛若踊り・綾踊りなど十二の演目があり、小唄を伴奏に華やかな踊りを繰り広げます。
●伊那谷の屋台獅子
長野県飯田市 出演/上茶屋獅子保存会
獅子舞は日本の各地に伝承されていますが、伊那谷の屋台獅子は、舞楽獅子を源流として、その由来は平安時代にさかのぼるといわれます。獅子舞には面をつけた宇天王と呼ばれる獅子の先導役が登場します。この宇天王の演技所作は本来の舞楽獅子の流れを伝承しているということで注目されています。七世紀ごろ中国から伝来したという伎楽や舞楽がこのように奥深い信州の地にまで伝播し、影響を与えたのでしょう。長さ十三メートル、幅一・八メートルもの巨大な獅子が、舞楽特有のきらびやかな衣装を身にまとった字天王に操られて見事な演技を見せます。
●大杉ざんざこ踊
兵庫県養父郡大屋町 出演/大杉ざんざこ踊保存会
国選択無形民俗文化財
大杉は古くから但馬から播磨に抜ける交通の要所で、多くの旅人が行き来しました。ざんざこ踊は、大杉二宮神社で踊られるもので、江戸時代に村の庄屋が疫病退散と村の繁栄を伊勢神宮に祈願した帰途に春日大社で習い、氏神に奉納したものといわれます。各地のざんざこ踊りの中でも最大の規模を誇るもので、二メートルの大団扇を背負って腰太鼓を打つ勇壮な踊りには緊迫感があふれています。
●赤崎神社楽踊
山田県長門市 出演/赤崎神社楽踊り保存会
山口県指定無形民俗文化財
日本のまつりには農業にまつわる行事が多く見られます。赤崎神社の楽師も、昔この一帯に牛馬の疫病が流行った時に、悪疫退散を願って奉納されたのが起源であるとされています。五色の大きな花笠をつけ、腰には鮮やかな五色の紙を貼った竹の輪をつけ、胸の太鼓を打つ踊りは、秋まつりにふさわしい華やかさがあります。また、赤城山の自然の地形を利用した「野の舞台」は音響効果も素晴しく注目を集めています。